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スーパーマリオ オデッセイ レビュー

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我々の予想をいつも軽々と飛び越えてきた男、マリオ。switchの勢いが高まると同時に極限の高さにまで至った最新作への期待を、奴はまたその自慢のジャンプ力でさも気持ちよさそうに越えやがった。\イヤッフー!/

「マリオ」シリーズが私達に毎回与えてくれるゲーム体験は実に「ゲームらしい」ピュアなものであるが、今作はそれを磨きに磨き上げたものに仕上がっている。

本作「スーパーマリオ オデッセイ」はゲーマーのみならず、「一度でも日本のゲームに触れたことのある人間」は絶対にプレイしたほうがいい傑作である。あの頃遊んだ日本のゲームは現在ここまで来たのかということを否が応でも実感できることだろう。

 

 

 

「マリオ」における強化アイテムの歴史と「キャッピー」

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「マリオ」の旅路は常に「強化アイテム」と共にあった。ジャンプ力を上昇させる「キノコ」から始まり、無敵化する「スター」、触れずとも敵を打ち倒すことを可能にする「ファイアフラワー」など、冒険の途中で手入れることのできるアイテムはどれもマリオのアクション性を「強化・拡張」させるものであり、シリーズが多種多様に展開されるにつれてその種類は増え、姫を取り戻すための「旅路」はその都度広がりを見せていった。

ジャンプとダッシュしか出来ないマリオが、アイテムのお陰で時に空を飛び、水中を泳ぎ、時に惑星を超え、次元の超越すら可能にする。そして特異なアクションをマリオに与えてくれるアイテム達は次第に「ヨッシー」や「ポンプ」といった1キャラクターとなり、彼の相棒として作品毎の象徴になっていったのだ。

 

そして本作での相棒となるのが帽子の形をしたキャラクター、「キャッピー」であるが、彼がマリオに与えてくれるアクションは実に52種類。そしてアクションひとつひとつ全てが「オデッセイ」の世界観を壊すこと無く成立している。これが脱帽というものか。

モノやキャラクターに憑依する(キャプチャーする)ことで対象の性質を借り受けることのできる彼の能力によって、マリオの旅路はこれまで以上に広がりを見せた。

例えば恐竜に憑依し壁を打ち壊したり、キラーに憑依し空中を高速で突き進んだり。マグマを潜ったり電気に憑依して電線を駆け巡ったりもできる。マリオのままでは行けない場所でも、キャッピーの力を使えば難なくたどり着くことができるのである。アクション1つ1つとっても決して「似たような」ものはなく、マリオが様々なタイトルで経験したアクションがほぼ全て「オデッセイ」においては実現可能と言っていいほどだ。

 

1キャラクターとしてのキャッピーだが、可愛い。めっちゃ可愛い。帽子に2つの目があるだけというシンプルなデザインであり、セリフ量は少ないながらも個性は十分に際立っている。帽子を投げればニコニコとした目をするし、良からぬことを考えている時はそういう目をする。マリオが落ちれば霊体の身でありながら律儀に自分も落ちて悲鳴を上げてくれる。本作には着せ替え要素もあるのだが、それによって見た目が変わるというのもまた愛らしい。キャッピーはシンプルながらもいつまでも被っていたいと思えるキャラクターに仕上がっている。

 

 

旅の記録はスナップショットモードで

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旅をするなら記録としての写真は欠かせない。「FF15」や「Horizon Zero Dawn」など、いまやすっかりおなじみとなったフォトモードであるが、「旅」がモチーフである今作にもちゃんと導入されている。「自動撮影」であったり「時間操作やレンズ調整」など細かなオプションが充実しているわけではないが機能的には十分であり、上述した着せ替え機能があることやステージ毎に魅力的なロケーションが充実していることも相まって絵になる一枚が数多く撮れるようになっている。

 写真を撮影し続ける中できっとあなたは「スーパーマリオ オデッセイ」のグラッフィックにおける作り込みに圧倒されることになるだろう。どの角度から撮影しても、数あるどのモーションを撮影しても崩れることを知らないその映像美はswitchのこれからを暗に示している。安定して60fpsで動きラグを全く起こさないばかりか、土煙や水の表面を細かく丁寧に描写するその技術力は感嘆に値する。実際にプレイして確かめて欲しい。

 

 

パワームーンとレベルデザイン

今作は国々を渡り、移動手段である「オデッセイ号」の燃料「パワームーン」を集めることがゲームにおける基本的な目的となっている。

 

 

その総数はおよそ800程あり、様々な方法で入手することが可能だ。

道中で拾うのは勿論、ステージボスを倒したり、ショップで購入したり、ミニゲームの景品だったり、ギミックを解いたりなど多岐に渡る。

勿論序盤は比較的取りやすい箇所に多く配置され、終盤に進むに連れて取るのが難しい場所が多くなっていき、クリア後はもうね、どうすりゃいんだよ。

「旅」というテーマである今作において、ステージ毎のパワームーンの配置は心地よい「波」を生み出している。手軽に取れるものから、頭を捻ったり技術力が要求されるものまであるパワームーンのゲームシステムは自然とステージの各地を巡るようなデザインになっており、前途多難な「旅」の道中を演出するのに非常に役立っているように思う。「なんかありそうだな」と思うところには必ずパワームーンが待っているのだ。

 

収集要素と言えば紫色の「オリジナルコイン」も一役買っていることを忘れてはいけない。

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ステージ毎のショップで使用できる「オリジナルコイン」もパワームーン同様各地に配置されており、旅の道中で入手することができる。入手したオリジナルコインはステージ毎に異なる、オデッセイ号内に設置できる家具と交換可能だ。旅には「お土産」もつきもの。ステージクリア直前にショップに寄り、記念品を購入するのもまた一興である。

 

 

 

これまでの旅路の集大成として

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「オデッセイ」内ではこれまでの旅が、いや任天堂の作品が集約されているのではないかというほど様々な過去作オマージュを観ることができる。

わかりやすい所で言うと、8bitマリオによる2Dアクションや過去作衣装であったり、

ところどころで見かけるネコマリオ/ピーチのドット絵やニュードンクシティの看板が代表的だが、その他「サンシャイン」の「ポンプアクション」を彷彿とさせるキャプチャーやスプラトゥーンを彷彿とさせる「マグマで地面を塗ってから進むアクション」、○○○の国でのお土産が「花札ステッカー」、明らかにコラボ先であるラビッツを意識したデザインのボス達であったりと任天堂ゲーマーが思わずニヤリとしてしまうようなギミックが随所に隠されている。

ディズニーランドで「隠れミッキー」を見つけるような感覚でこのイースターエッグ達を探してみるというのも長旅の中での楽しみの1つだ。

 

 

手軽にクリアできるストーリー密度

前述した通り、このゲームの主目的はステージ毎に「パワームーン」を集めることだがコンプする必要はなく、実際は決められた規定数を集めればいいだけである。なんならボスを倒す必要もなかったりする。その為、12時間程度あればストーリーをクリアできる内容になっている。だが、コレは中身が無いことと同義ではない。そして最期の展開に関しては歴代マリオを象徴するものでありながら、今風のモノになっており個人的にワクワクと笑いが止まらなかった。旅を一区切りするにはふさわしいEDだった。

 

そしてぶっちゃけストーリーはプレイに慣れる為の前座に過ぎない。収集系ゲームの本番はクリア後にあるのだ。ステージ追加は勿論、パワームーンが追加され、その入手難易度は既存のものより遥かに高い。更にSteamやPS netでおなじみの「実績システム」のようなものも解禁され、ゲーム内で条件を満たすとリワードとしてパワームーンが貰える仕組みになっている。マリオとキャッピーの旅路はまだまだ終わりを知らない。

 

 

 

今回のマリオによる旅路は、とりあえずやってみたいライトな層から長い時間プレイしたいやりこみ層まで幅広く対応しており、尚且つ如何にも「ゲームらしい」体験を得ることができる素晴らしい作品である。

作品の方向性では真逆であるが、「ゼルダの伝説 ブレスオブザ・ワイルド」と共にswitchにおける代表的な作品になるのは間違いないだろう。