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RUINER(PS4版) レビュー

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皆さんは「サイバーパンク」という単語を聞いてひとえに何を思い浮かべるだろうか。

先鋭化された科学技術と、それとは対象的なネオンがギラギラと輝く退廃した都市。

世界を牛耳る暗黒メガコーポ、それを裏から操るマフィア。

アジア的なモチーフ、電脳、ドラッグ、サイボーグ…

サイバーパンク」を象徴するありとあらゆるもの、その全てが詰まっているシューティングゲームがこの「RUINER」である。

 

 「RUINER」は先程説明した通り、サイバーパンクな世界をモチーフとした、俯瞰型の2Dシューティングアクションゲームだ。とある一人の反逆者が誘拐された兄を救うため腐敗した社会に牙を剥き、謎の女ハッカーの力を借りながら醜い真実を解き明かす。今作の特徴となっているのは凄まじいゲームそれ自体の難易度と作り込まれた世界観だが、先ずは難易度ひいてはゲームシステムについて紹介する。

 

操作は左スティックでキャラクターを移動し、右スティックで標準を合わせる、所謂ツインスティックシューティングゲームの標準的なものになっている。

圧倒的な物量でもって襲い掛かってくる敵をダッシュによって華麗にかわし、重火器による射撃と近接攻撃を組み合わせながらひたすらに屠っていくのがRUINERの醍醐味だ。

 

 しかし先程言った通りこのゲームの難易度は敵を一方的に蹂躙させてくれるほど生半可なものではない。気を抜いた瞬間、逆にこちらがただの肉塊に成り果てていることは珍しくない。

 相対した時には当然敵も重火器でもって応戦してくるのだが、最初の一発は外してくれるなどという親切設計ではなく、正確無比なエイムでもってこちらをしっかり殺してくる心折設計である。こちらが攻撃すれば敵もちゃんと躱すし、例えザコ敵でも銃弾無効のバリアを貼る。そもそもとしてプレイヤーが敵に標準を合わせることそれ自体が難しかったりするので、序盤から死にまくることになる。

プレイヤーが使用できる重火器と近接武器はデフォルト装備以外使い捨てでストックできず現地調達制となっており、特に強い武器はボス戦中くらいでしか入手できない。

攻撃の回避や逆に接敵するなど、戦闘の要となる「ダッシュ」に関しては「ゲージ」の概念があり連発できない為、むやみやたらに使用していると、ここぞという場面で敵の攻撃を躱すことができなくなってしまう。

 

戦闘に関しては本当にシビアなのだが、リトライまでの時間が非常に短いことに加え、少しでも戦闘を楽なものにするために本作では「レベル」と「スキルポイント」のシステムが導入されている。

敵を倒したり、道中の箱を開けたりして入手することができる「カルマ」は、所謂経験値の役割を果たしており、沢山ゲットするとレベルが上がる。レベルが上がるとスキルポイントを得ることができ、それを自由に割り振ることで、戦闘中に効果を発揮する様々なスキルが得られる。(バリア、銃弾増加、ダッシュゲージ増加、時間停滞など)

スキルポイントはいつでも振り直すことが可能であるため、場面場面ごとにスキルを組み替えながら戦うということが生き抜く上でかなり重要である。

 

そしてこのゲームは「イージー」「ノーマル」「ハード」の3種類の難易度が設定されており、ゲーム中にいつでも切り替えることができる。ちなみに私は基本「ノーマル」で通したが、あるボスに勝てず一度だけ「イージー」に難易度を下げてしまったのでトロフィーを逃してしまった。悔しい…

このゲームにおける「ノーマル」は他作品における「ハード」に相当する難易度なので、シューティングが苦手だと自覚している方は素直に「イージー」を選択することをオススメする。

 

 

ここまではゲームシステムについてまとめたが、ここからは「RUINER」を構成する世界観について書いていこうと思う。

 

冒頭に書いたとおり、RUINERにはあらゆる「サイバーパンク」 が詰まっている。ステージ道中の各地でもそれは目にすることができるが、一番この作品におけるサイバーパンク要素が詰め込まれているのは、主人公の拠点となる市街地、「レンゴク・サウス」だろう。

 天国と地獄の間にある場所、「煉獄」の名を冠するその街にはサイバーパンクを象徴する風景があるほか、実に多種多様な人物が暮らしている。

主人公を助けてくれる謎のメカニックじじい、怪しい宗教団体、暴力に身を任せるギャング…いずれも「おやくそく」ばかりだ。

だがこのRUINERにおけるサイバーパンクは所謂「オールドスクール」「古典的なもの」とは異なり、モダンなものに仕上がっている。kawaii文化の衣装を着たキャラクターや、多数の巨大なディスプレイ、VRなどからもそれは伺えるだろう。作中登場する人物や技術についての詳細な設定情報はメニュー内から読むことが出来る。SFといったら枠外にいたる膨大な設定である。

そして平沢進が一部提供しているBGM群がこの世界観を盛りたてるのに一役買っていることも忘れてはならない。全てが師匠製ではないにしても良い曲ばかりであり、特に戦闘中にかかる曲はシンセがグワングワンいってて最高だ。

その他、「アームズ・テック社」という名前が散見されたり「DOOM」な服を着た「文句を言われたゲーム開発者」が敵キャラとして登場するなど、分かる人にはクスリとくるようなネタが散りばめられており、プレイするのに余裕が出てきたプレイヤーを飽きさせない工夫が成されている。

 

工夫と言えば、ステージの進行やボスキャラの出現、クリア後のリザルト画面において一瞬表示される1枚絵や「KILL  BOSS」を代表する特徴的なタイポグラフィなど、瞬間的な演出が実に気持ちがいい。 まるでアーケードゲームをプレイしているかのような感覚に陥り、止め時がわからなくなる。ドラッグも真っ青な中毒性だ。

 

この「RUINER」は本当に素晴らしいゲームだが、非常に人を選ぶゲームでもある。

満点を出しているレビューサイトがある一方、難しすぎると100点中60点を出しているサイトがあることからもそれは分かるだろう。

 

ただ、サイバーパンク好きでシューティングゲームに抵抗がないなら、絶対にプレイして欲しい作品の1つであることは間違いない。このクオリティで2000円しかしないので、興味があれば是非手にとって一緒にこの「RUINER」をキメよう。何、少しだけなら問題ないから。